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AutoCAD LTの販売終了に伴う
AutoCADの最新動向とは

掲載日:2021年11月21日

AutoCADと言えば数百万のユーザーを抱えるCADのソフトウェアです。
その中でAutoCAD LTは2次元のみの対応に機能が限定される分、比較的安価に設定されており機械分野の汎用CADとしてトップシェアを握っているといってもよいでしょう。

2021年5月、このAutoCADを販売しているオートデスク株式会社が販売戦略の大幅な見直しを発表しました。

今後のAutoCADの動向やAutoCAD LTの後継品がどうなるのかなどについてご紹介します。

AutoCAD LTの終了と製品構成の変更

2021年5月7日、オートデスク株式会社は販売戦略の大幅な見直しを行い、日本市場向けのツール提供に大きな変更を加えることを発表しました。

従来のAutoCAD LTがAutoCADに、従来のAutoCADがAutoCAD Plus (AutoCAD including specialized toolsets)になる変更となり、実質的にはAutoCAD LTの機能拡張とAutoCADの名称変更といえます。

それに伴い、AutoCAD LTはすでに6月7日で販売終了となりました。
販売終了となった「AutoCAD LT」は2D作図および編集、WEB&モバイルアプリ、TrustedDWGテクノロジーによる信頼性担保と2Dの図面作成業務を支援するソフトウェアとして位置づけられていましたが、新しい「AutoCAD」は、従来のAutoCAD LTと同額の税込7万1500円で提供され、業種別ツールセットこそ含まれないものの、3Dモデリングやレンダリングの機能が利用可能になっています。

このことから、AutoCADに含まれていた標準機能がすべて使えるようになるため、これまでAutoCAD LTを利用してきたユーザーにとっては大幅なグレードアップとなります。

旧「AutoCAD LT」と新しい「AutoCAD」との違い

旧AutoCAD LTの価格で使えるようになったAutoCAD。
具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

旧AutoCAD LTと比較し、現行のAutoCADは以下の点が拡張されています。

3Dモデルの作成及び編集
アドオンアプリとAPIによる機能追加や自動化
オブジェクトデータの表への抽出
レンダリング機能
CAD標準仕様の適用と仕様違反のチェック
Autodesk App Storeへのアクセス

前述の通り“業種別ツールセット”は含まれていないものの、それ以外の機能は残されており、全体として費用が変わらず大幅な機能拡張がされました。

中でも「アドオンアプリとAPIによる機能追加や自動化」は、従来の作業の効率化が可能となるため、生産性向上が見込める機能拡張となっています。

オートデスク社が独自に行った調査によると、AutoCAD LTと比較しパラメトリック拘束の編集で約33%、平面図と立体図の作成と編集で約46%、CAD標準仕様で最大81%、全体として最大86%の作業時間短縮につながったと言われています。

推奨環境も新旧で変更はされておらず、現在の端末でそのまま使えるのも非常にありがたいところです。

旧「AutoCAD」と「AutoCAD Plus」の違いとは

AutoCADとAutoCAD Plusの大きな違いは、従来のAutoCADにあった業種別ツールセットが含まれるかどうかです。

今までAutoCAD LTを利用していた方だけではなく、従来のAutoCADを利用していて業種別ツールセットを使っていないユーザーの場合、新たなAutoCADは大幅なコスト削減につながる変更となっています。

旧AutoCADとAutoCAD Plus(AutoCAD including specialized toolsets)は変更が特になく、主に業種別ツールセットを利用していた企業が引き続き更新して利用する形となります。

業種別ツールセットには以下のツールが含まれています。もし自社がこれらのような業務を行っている場合は、検討の余地があるかもしれません。

Architecture ツールセット

平面図、立面図、その他の建築設計の一般的な作業にかかる時間を節約でき、全体の生産性が最大61%向上

Mechanical ツールセット(建築設計)

部品表の作成など、機械設計に必要なさまざまな作業をすばやく実行でき全体の生産性が最大 55% 向上(機械設計)

Electrical ツールセット(電気制御設計)

番号付けやタグ付けなど、電気設計の一般的な作業をすばやく実行でき全体の生産性が最大 95% 向上

MEP ツールセット(設備設計)

HVAC、配管、 給排水衛生設備など、MEP 設計の一般的な作業の生産性が向上し全体の生産性が最大 85% 向上

Map 3D ツールセット(地図情報)

座標ジオメトリの作成や編集など、設計のマッピング作業にかかる時間を節約でき全体の生産性が最大 60% 向上

Plant 3D ツールセット(プラント設計)

製造プラント設計でよく行うタスクの作業効率が改善され全体の生産性が最大 74% 向上

Raster Design ツールセット(ラスター画像処理)

挿入や尺度など、図面作業の生産性が向上し全体の生産性が最大 48% 向上

従来のAutoCAD LTのサポートはどうなるのか?

AutoCADを現在利用している方は今後サポートがどうなるのか(打ち切られてしまうのではないか?)不安な方もいるかもしれません。

しかし安心してください。AutoCAD LTを利用中のユーザーへのサポートは引き続き、継続されます。従来通りのAutoCAD LTサブスクリプションを更新し、オートデスクのサポートを利用することも可能です。

もしAutoCAD LTからAutoCADに移行する場合は契約の自動更新を無効に設定したうえでAutoCADのサブスクリプションを新たに購入する必要があります。
また、オートデスク認定販売パートナーからAutoCAD LTを購入した場合はパートナーの担当営業に問い合わせて契約変更を進めることもできます。

どちらの方が良いか迷っている場合は一度、代理店などに相談してみることも可能です。

AutoCAD LTからの乗り換え、新規契約の検討は代理店への相談で最善の選択を

2021年に大きく商品構成が変わったAutoCADとAutoCAD Plusはコスト差で1ライセンス当たり約年額16万円と非常に大きく変わり、選択を間違えると時間的・費用的に非常に大きなムダが発生してしまいます。

自社の現在の業務を整理したうえで、一度代理店に相談しどちらのライセンスを選択するべきか相談してみてください。

ベストな回答を得られる他、ライセンス数によってはボリュームディスカウントが適用できる可能性もあります。毎日の業務に使うアプリケーションだからこそ、しっかりと最善の選択をとれるよう検討してみてください。

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